7月7日 月
一生懸命
パリジェンヌは
細長〜いフランスパンを
小脇に抱えて小粋に歩きますが、
ジャポネーゼなワタシは
細長〜いヘチマを小脇に
新宿の街を歩いておりました。
高島屋界隈でした。
もちろん小粋にです。はい。
というわけで、
お久しぶりのあんこです。
ずいぶん長く間を置いてしまいましたが
忘れていたわけではありません。
ここのところ、毎日が矢のようでして、
更新のためのちょーっとの時間も
とれなかったのです。
この「今日の秋櫻写」も、そろそろ
ブログに切り替えどきかな
とも思っております。
そうすればもっと頻繁に
更新できますから。
さて。
本日は蚕の写真日記といきましょう。
チャコちゃん日記には、日々10頭の
蚕たちの様子が綴られていましたが
実態はこんな感じでした。
まとめていきます。
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5月26日(月)
10頭の蚕が塩野屋さんから届きました。
体長4cm すでに5齢
約1週間後の6月2日(月)には倍の8cmに。
桑の葉を喰って喰って、眠って。
喰って喰って、眠る。
癒されるなんてもんじゃありませんでした。
触ってもきもちいいし。

蚕ダンス
繭を吐きたくなると、まず体が透明になってきて、表皮を通して体液がドクドク流れるのが見えてきます。それから、上半身(でいいのだろうか)を背筋(なのだろうか)でくっと持ち上げて、かしらを「8の字」にふわーっふわーっと振り出すのです。・・・もうね、これは本当に不思議で神秘の光景です。目が離せなかったです。
ザルのへりと葉を上手に利用して、繭をつくるために糸を吐き出していく。糸は体から出ている。その糸は桑の葉が原料になっている。云われてみれば当然なのですけど、首をひねりたくなります。イノチって本当にわけが分からない。「不思議発見!」って云いたくなります。

この2頭は、糸を吐く前から仲良しで。繭作りまで一緒にして、同じ繭の中に入りました(玉繭という)。こういう様子をみると、愛とか恋とかいって、つい人間の物差しではかっちゃいますが、結局のところ、どうなんでしょうか。非常に素朴な形での「気があう」ってやつなのでしょうか。

鳥瞰図。へりに4つ。葉の下に4つ。

右の1つだけ白い繭は、小石丸の繭。これは比佐子さんの宮崎土産でして、秋櫻舎で小石丸を育てたわけではありません。秋櫻舎の繭は、黄色いほうです。今年も都浅黄(みやこあさぎ)という品種を飼いました。繭は全部で8つ。って、あれ・・・?蚕は10頭いたはずでは?
2つが玉繭(2頭でひとつの繭)になっていると考えるほうが普通ですが、繭のサイズをみると、やけに大きいのが1つ。あとはほとんど同じ大きさ。
比佐子「ということは・・・3頭で1つの繭んなかに入っちゃったんだわね」
どうやらそのようです。
ここから先は
大自然の摂理の領域・・・。
ああ、「野性」ってこういうことを
いうんだなと思います。まっすぐです。
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繭の中から世界に出た蚕たちは、
子孫作りにそのイノチのすべてをかけます。
それはまさに「一生懸命」ということ。
一生懸命、オスとメスはいとなむ。
一途に合体。
ただひたすらに合体。
オスは羽を震わせ、飛べない重い体を
引きずるようにしてメスのもとへと向かい、
合体。
「合体だわ」
「また合体」
「ああ、こちらも合体」
「ずっと合体なのね・・・」
脱退はないと。
そう、ほんとにずーっと合体なのでした。
いつみても、誰がみても、合体中でした。
「メスは動かないのね」
「こう、オスだけが動いているのね。
あとは果てるだけなのに」
「力の温存なんて考えず・・・」
「・・・オスって切ないわねえ」
しかしそういうことがさらっと、
悟るかのように感じられてしまうのが
蚕の合体シーンなのでした。

合体その1

合体その2 前方から

合体その2 後方から

アップ。昆虫好きの姐さんは、嬉々としてこんな写真を撮っておりました。で、自分のクリアファイルに入れて、来客があるごとに見せていました。体の表面はこのように起毛しているかのようで、撫でると、これまた気もちいいんですね。

合体その3 三つ巴(3Pともいいます)
これは、1組のカップルが合体しているのに、独り者のオスがそこへ割り込んできて、今最中のメスを取ろうとしているのです。なんでまたこんな面倒なことを、わざわざこのオスはやるのだろう?云わずにはおれません。とはいえ、人間の物差しではかるなんて愚かなこと。やめました。
人生も短いけれど、
蚕の一生はもっと短いんだなと
思いました。
蚕の一生は、シンプルすぎて
面食らうことも多いけれど、
こういう風に、ある意味、神の視点で
何者かの生涯を見届けるというのは、
人をみずみずしく、また思慮深く
させるように思います。
ゆたかな感情をはぐくむように思います。
蚕は、成虫になってからは何一つ食べず、
体中のエネルギーを種の存続につかいます。
つかい切ったところで、死ぬのでしょう。
次々と天寿を全うし、昇天していきました。
今は最後の1頭になりました。
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